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~8月28日付けカナダ「The Globe and Mail」紙の記事から~
カナダでは2022年までに、海外の留学生を倍増することを目指しており、学生たちが現地に溶け込めるよう、様々な施策を行っているという。
しかしこのほど、Canadian Bureau for International Educationが、1509人の留学生に行った調査で、58%の留学生が、カナダ人の友達を全く持っていないか数人しか持っていないという結果が出た。
学生であれば英語で授業を受け、会話し、生活のすべてが英語漬けのはず。誰が考えたってバイリンガルだ。日本でカッコよくバイリンガルで仕事をこなしている人々が、そんな孤独なんて感じたなんてあまり想像できない。
それに、カナダ人は概して大変親切だし、非常にFriendlyだから、孤独なんて感じるはずはないと。
学生の一人は、溶け込むことの難しさをこのように表現していた。「you're alone in a huge pond of other people.」
私も今回、キャンプをしながらサイクリングをするという現地ツアーに2週間参加した。普通の暮らしで英語に不自由しない。でも違うのだ。話しかけられたことはわかる。そして返事もそこそこできる。だが、彼らが普通に話している会話がわからない。その中で突然質問を振られると何のことかわからず途方に暮れる。先だっても、自転車で急な坂を自転車で登っているときに、何か質問をされた。plainとか24 hours とかいうのか聞こえたが、何のことかわからない。後で聞き返したら、日本まで飛行機で何時間かかるのか、と聞いたのだそうだ。
自転車で坂を必死で登っているときに、突然そんな関係のないことを聞かれても。。。想像力をどんなに働かせても限界がある。。。
夜一緒にお酒を飲んでいて、私はまさに、上記の「いろんな人の中にいる孤独」を感じた。会話で人が笑っているのに私はそれが何なのかわからずに独り笑うことができず、置き去りだ。
私はそれを大人になってから英語を勉強したんだから仕方ない。ひとえに自分の英語力のなさだと、片付けようとした。
でもどうやらそれだけではないらしい。育った文化、幼少時からの経験、そして暮らし、すべてが違うのだとつくづく、、、
Canadian Bureau for International Educationでは、卒業後、どうしたら学生たちがカナダにとどまってくれるのか腐心しているという。
結局、卒業してもカナダで人脈もコネもない外国人留学生がどうやって、うまく仕事がしていけるというのか、とその記事は締めくくっている。前途多難だ。