カテゴリ:
DSC01463
冬は自転車は寒いよね〜ということで、関東日帰りサイクリングは南房総に行こうかな。
せっかく行くのだから南総里見八犬伝をテーマにするのもよいかなと思ったが、何と全巻106、作者の曲亭馬琴(私が学校で習ったときには滝沢馬琴だった)が28年もかけた超大作なので、ちょっと無理かなと思っていたところ、書店でビギナーズ・クラッシック日本の古典シリーズ(角川文庫)を見つけた。 

29の原文抜粋とその現代翻訳、そして内容がきちんと理解できるように、抜粋した話の間を埋めるあらすじが書かれている。私でも読めるかな、と恐る恐る手に取って驚いた。
こんなに飛び飛びなのに、筋がわかるだけでなく、一つ一つの話のテンポがよくて、挿絵もあるので状況を容易に想像することができる。

読後感は、何とアクション映画を見た気分!!
実はアクション映画がとても好きで、飛行機に乗るとまず最初に見るのがアクション映画。あり得ない場面設定(本当はあるのかもしれないけど)と主人公の超人的な身のこなし。それがテンポよく進んでいくので、スカッとした気分になる。ダイ・ハードやワイルドスピード・マックス、ボーンシリーズ・・・アンジェリーナ・ジョリーなんかの映画を見終わると、自分がアンジェになったみたいに気持ちが高揚する。ちょっと恥ずかしいけど・・・ということで、かなりワクワク、満足して読み終えてしまった。。。

話の途中で編者の石川博氏のコラムが入るのだが、これがなかなか興味深い。
目から鱗だったのが、坪内逍遥の「八犬伝」評に対する石川氏の見解。
「逍遥は、近代の小説観によれば、リアリティを持つ人物像を造形すべきで、この世の人間とは思えない力を持った八犬士は小説の主人公としてふさわしくないとして南総里見八犬伝を批判した。以後、漱石や藤村などリアリティと共に小説が描かれるようなった。
荒唐無稽であれ、登場人物が化け物であれ、読者をワクワクさせる小説だって、優れた小説といっていいのではないか・・・日本ではフィクションは評価されない傾向がある・・・」

あ〜あ、それで日本の近代小説はどれもこれも暗いのか〜と独り合点した。そして、ちょっと拡大解釈して、だから、日本のアクション映画はつまらないのか。。。と。

もちろん子供の頃は、漱石全集を入手したり、藤村をほとんど読んだり、三島由紀夫全集を読んだりした。川端康成も谷崎潤一郎も、当然太宰治も大好きだった。。。しかし今は全く読まない。一通り読んだからという理由ではないはず。読んでいてワクワクしないのだ。

ワクワクするって、人生を彩るのに必要だよね〜〜〜!