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自転車で巡った中山道、きっと多くのものを見過ごしたに違いない。。。

実際に、自転車と歩きの違いを体感してみたくて、クラブツーリズムがやっている「中山道六十九次を歩く」というバスツアーに参加してみた。クラブツーリズムでは、約2〜3年をかけて京都三条に向かうツアーを毎年春と秋にスタートしており、その開始時期により、第◯期といったグループを作り、20〜30人で”完歩”を目指している。私が参加したのは、第29期の第14回目で、区間は高崎から板鼻宿の約10キロ。この区間は新宿発の日帰りとなるので、ランチ込み9800円と新幹線で往復して自分で行くより安いし、何より詳しいガイド付きだ。
なぜ中山道を自転車で完走したばかりなのに、徒歩での中山道に参加したかというと、自転車と徒歩の違いを実感したかったのと、自転車ツーリングで私が一体何を見過ごしたのかを知りたかったから・・・
この区間、実は前日の日本橋〜高崎間が車が多くてストレス状態だったので、つい本来のルートのちょっと左側に位置していた碓氷川サイクリングロードを走ってしまって、本来の道は所々しか走っていない区間。板鼻も板鼻宿のサインを見ながら、通過してしまった区間となる。
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まず、バスの車内でガイディングレシーバーを渡される。海外の美術館などで、個々の陳列物の説明を聞くために借りたりするものだ。これによって、ガイドさんの説明が30メートル離れていようが100メートル離れていようが聞くことが出来る。(数人なら不要だけど、30人近い参加者が細い歩道を連なって歩くと前後100メートルくらいの行列になってしまうこともあるので、これはありがたいサービスだった)
スタートとなる高崎市の君が代橋のたもとでまず準備運動。ストレッチをしてけがを防ぐ。
参加者の90%以上は定年退職をされた年配の方々なので、これは必須かな。。。

そして、いよいよスタート!まずは君が代橋を渡る。ここからは赤城山と榛名山がよく見える、というふれこみなのだけど、この日は残念ながら天気はよいけれど霞んでいる。写真にとってもうっすらと映る程度。橋のたもとの萬日堂から、ほんの数百メートルで草津に分かれる道標に。こういう細かい道標は自転車だと簡単に見過ごしてしまうのだが。。。ゆっくりと通過することの利点だ。
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上の写真。左は草津、、とか書いてある。これが、信州街道分去れの道標。
これを過ぎてしばらく行った所に、ちょっと変わった屋根の民家が。
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ガイドさんの説明によると、典型的な上州の養蚕農家の家で、蚕を乾燥させるために屋根の部分はとても風通しがよいのだそうだ。ガイド付きツアーは不思議に思ったことを聞けるのが嬉しい。
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で、高崎はだるまの産地。ということで、こんな風にだるまを乾かしていた。。白いお化粧前のだるま。
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ところで、街道の踏切は上の写真のように「◯◯街道踏切」という看板があるとのこと。今度から注意して渡ることにしよう。(全く知らなかった・・・)
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道沿いには至る所に道祖神がある。写真はとてもかわいい双体道祖神。道祖神は悪霊や厄の侵入を防ぐとして、村の入り口などに置かれた。
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上は平安後期、前九年の役の源頼家・義家縁りの若宮八幡宮。
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上は茶屋本陣。ガイドさんの説明によると;
宿と泊は違っていたらしい。江戸の初期は、料理人を連れていて自前。これが「宿」。でも料理人を帯同するとお金がかかるので、お料理を出してもらうようになって、それが「泊」
もっというと、「泊」と「休み」「小休み」も違うのだそうだ。泊はもちろん泊り。「休み」はランチでご飯を食べる。「小休み」は休憩で茶菓。。。。う〜ん、そんな区別があったんだ・・・
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ところで中山道は、東海道を比べて京都に行く一番確実に早く行けるルートらしい。東海道は大井川など大きな川をいくつか渡らねばならず、増水で足止めを食らう可能性が高いからだとか。ということで、公武合体の象徴、皇女和宮も中山道を使って徳川家茂にお嫁入り。板鼻宿の本陣裏手の書院を宿としたときに、女性となった、つまり初潮があり、その衣類を埋めて祠(ほこら)にしたのが上の写真。ここは皇女和宮の資料館となっている。
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今回は3つのお寺に寄り道。お地蔵さんはやっぱり、かわいい。
長伝寺では、住職の方が直々に説明をしてくださり、五百羅漢の厨子を見せていただいた。これは写真では紹介できないが、小さなお仏壇ほどの見開きの箱の本体に菩薩様と十六羅漢。扉内側に見事な五百羅漢の彫刻。。。こんなものは個人で行ったら絶対に見られない。
ツアーで行くからこそだ。
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上の写真は達磨市で有名な少林山達磨寺。東京オリンピック招致に伴い、五輪の色の達磨が。写真でも赤い達磨に混じって何か見慣れない色の達磨が・・・時代とともに達磨も変わっていくのだと。

今回のツアー、楽しかった。ガイドさんの説明もすばらしく、いろいろな不思議が解明できた。参加者とのコミュニケーションも出来たし、いろんな世界を知ることが出来た。
ただ自転車ツーリングとの違い。これは、きっと根本から違いのかもしれない。

まず、一日10キロ〜15キロ。もっと歩けると思うけど、やはり30キロくらいが限度かな・・
山の中は登山となるので、舗装された道しか行けないロードバイクより何倍も往事を偲ぶことが出来る。細かくゆっくり見て回ることができる。ロードバイクだとついバ〜〜っと進んでしまい、見るべきところを簡単に見過ごしてしまうな〜。

両方のメリット・デメリット、いろいろあるけど、両方やった感想としては、
う〜ん、やっぱり自転車がスピード感でちょっと勝ちかな、いっぱい見過ごしてしまうのが難だけど・・・下調べをきちんとしていけばある程度は見たいところを見過ごさなくてもいいかも。

そして、本当に、いや絶対に見たいという場所はゆっくり徒歩で、つまり、バイクと徒歩の折衷案というのがベストなんだろうな〜〜

数週間前の中山道ツーリングで、ゆっくり見られなかった妻籠馬籠はもう一度、徒歩でいくかな!